慢性痛の本当の原因

『どの様な仕組みで「痛み」を感じているのか?』で慢性痛の原因は“筋肉の緊張(筋肉が硬くなっている)”とお話ししました。

確かに、筋肉が硬くなることで痛みの原因になります。

ただ、それをもう少し深堀深く掘り下げて考えてみると、さらなる原因にたどりつきます。

つまり、「なぜ筋肉が硬くなってしまったのか!?」と問うことです。

当院では、それこそが真の原因と考えます。

それでは、「筋肉が硬くなってしまう原因」について、いくつかご紹介いたします。

1.脊髄の緩み
2.神経の癒着
3.微細骨折
4.感染
5.重金属など毒素の蓄積

これ以外にも、まだまだあるのですが一般的に多く見受けられるこの5つに絞って詳しく説明いたします。

1.脊髄の緩み

脊髄は、背骨の中を通っている神経の幹になる部分で、そこから手や足に神経が枝分かれして体の隅々までのびています。
その脊髄の組織が感染や毒素などの影響により緩んでしまう(弛緩:しかん)ことがあります。

骨と骨との間を繋いでいる脊柱(背骨)の靭帯をコントロールしている脊髄が緩んでしまうことで、この靭帯も緩んでしまい、背骨の並びが崩れてしまいます。
すると、崩れそうになった背骨を支えようとして周りの筋肉が硬くなってしまいます。

2.神経の癒着

体中の神経は、筋肉と筋肉の間を抜けたり、筋肉を貫くように張り巡らされています。
そして、それぞれの各神経は膜で覆われています。
この神経の膜と筋肉や骨などの膜が、何らかの理由で癒着を起こしてしまうことがあります。

もっとの多いのが外傷です。
骨折や捻挫などの怪我の後に膜どおしが癒着したまま残ってしまい、これにより神経は正常な電気信号を伝えることができなくなります。

そして、その神経に支配されている筋肉に影響を与え硬くなってしまうのです。

3.微細骨折

微細骨折は、体に至る所で常に起こっています。
重力や運動により細かいヒビが入り、それ修復することを繰り返し骨のリモデリング(骨の代謝)に一役かっています。
スポーツをすることにより骨が丈夫になると言われている所以のひとつで、歩行などの軽い運動でも起こります。

これは、少し詳しく学んだ医療従事者なら誰でも知っています。

ただ、この微細骨折がすぐに修復されれば問題はないのですが、何らかの理由で残ってしまうことがあります。

筋肉の付着部である腱の部分にこれが起こると、骨折部分を保護するために筋肉は硬くなってしまいます。

4.感染

医師をはじめ医療従事者は、学校では基本的に体内は無菌状態だと教わります。
私もそのように教わり、長い間そう信じてきました。
しかし、この考え方には落とし穴があります。

「感染症」と言う病状を呈する前に『感染』として、筋肉や神経、内臓など体の様々な場所に影響を与えています。
考えてみれば当たり前のことです。

地球上には、細菌やウィルスをはじめ微生物が、そこかしこに常に存在しています。
しかも、人類よりずって以前の太古から、そして、彼らも生き延びるために、あらゆる方法で人に取り付こうとし、ごく小さな世界で免疫系と戦い、中には体内で生き残るものも出てきます。

神経、リンパ、血管、内臓、骨など、体内に様々なところに入り込み生き延びた少数の細菌やウイルスは、感染症という症状を呈さない、つまり『感染症未満の感染』と言う状態で体にさまざまな悪影響を及ぼしています。
さらに、それら細菌やウイルスは、何ヶ月、何年と定着していることもあります。

5.重金属・化学物質など毒素の蓄積

例えば、メチル水銀、クロム、ヒ素などの重金属や、トランス脂肪酸や甘味料のアスパルテーム、グルタミン酸ナトリウム、アルコールの代謝産物のアセトアルデヒドのように体にとって有害な物質が内臓、筋肉、血管や神経系に蓄積することにより体に様々な影響を与えます。
特に重金属が筋肉に溜まることにより、筋細胞は伸び縮みしにくくなり、軽い負荷や外力がかかることで容易に切れてしまうこともあります。
これらが、くり返されることで筋肉が硬くなり、血行が悪くなり痛みや痺れ、だるさ、こわばりといった症状につながります。

理由があって硬くなっている

ここまでお話ししたように、筋肉は理由があって硬くなっています。
ですから、むやみに筋肉だけを軟らかくしようとしてしまうと余計にトラブルを大きくしてしまう可能性があります。

のむら整骨院 院長 野村晃生のサイン