「治癒」と「変化」

例えば、肩に痛みがあり、上げることができないという患者さんに、ある施術をして上がるようになったとします。

「これは、果たして治っているのか?」

上げれなかったものが、上がるようになると、それは「治っている」と判断されがちです。
しかし、その後、数時間で戻ってしまい、再び肩が上がらなくなるとがあります。

反対に、施術後に、まだ痛みがあったとしても、その後、数時間〜数日のうちに改善していく実感があり、その後どんどん良くなっていく場合があります。

この2つの違いは、一体どういうことなのでしょうか?

これは、「治癒」と「変化」と言う考え方で説明ができます。

「治癒」とは、治る方向に向かって自己治癒力がしっかりと働いている状態。
「変化」とは一定期間のみの作用であるということです。

自己の治癒力がしっかりと働いて、「治る方向」に向かっているのか?
それとも「単なる変化」で数時間で元に戻ってしまうのか?

この違いを明確に見極めて、対応できていなければなりません。

また、「治癒」は体の内側からの作用で、「変化」は外側からの作用とも言えます。

内側とは、自然治癒力、自己治癒力と表現されているように、自分自身で治るように促す治療のことを指します。

自己の治癒力が働くと、良くなることはあっても悪くなることはほとんどありません。

「外側から」とは、何らかの“外力をかける方法”をいいます。

例えば、マッサージや指圧、その他矯正するという方法、投薬、麻酔などです。

マッサージや指圧なら揉み返し、投薬・麻酔などは副作用があるように、患者さん自身への負担も大きく、「変化」しているだけになることが往々にしてあります。

くどいようですが、重要なことは、
「単に変化しているだけなのか?」
それとも、
「治癒に向かっているのか?」
を明確に見極めて施術できていなければなりません。

のむら整骨院 院長 野村晃生のサイン