「内観の秘法」と「軟酥の法」

「内観の秘法」と「軟酥の法」は、想像を絶する厳しい修行を行うことで次々に弱っていく禅僧達のために、白隠禅師が考案したとされる自己治療法です。

内観の秘法

床に仰向けで横になり、全身の力を抜いてリラックスする
ゆっくりと静かに大きな腹式呼吸を数回行う
そして、足の指先と、手の指先が十分に離れるように、思いっきり背伸びをします。
この時は、呼吸は止めても構いません。

伸びきっている瞬間に「気海丹田腰脚足心(きかいたんでんようきゃくそくしん)」と、唱えられる方は唱えていただくとよりいっそう効果的です。

十分に伸びきったと感じたら、一気に「はぁーーー」と息を吐きます。
体中の力を一気に抜き、同時にぐでんぐでんになった気持ちになりましょう。
両腕両足、そして、体全体が地面にめり込んで行くように感じることができれば上出来です。
この状態の時も、呼吸は、静かに、ゆっくり、大きく行います。

上記のことを就寝前にでも数回行っていただくだけで十分な効果が期待できます。

一言解説

この「内観の秘法」を私なりの解釈で解説いたします。
伸びと脱力を交互に行うことで、筋肉の緊張と弛緩が繰り返され、全身の血流が良くなります。
さらに、交感神経と副交感神経が同時に刺激されることで活性化しますので、自律神経失調症の方にもオススメできます。
そして、大きく深い腹式呼吸をすることで、十分な酸素が体の隅々まで行き渡り細胞が生き返ることでしょう。
極め付きは、脳脊髄液の循環が良くなります。
髄膜は、後頭骨の大孔と仙骨に付着しており、その中間はどこにも付いておらず宙ぶらりんの状態なので、背骨を意図的に伸ばすことで髄膜も上下にストレッチされます。
この作用で、内部の脳脊髄液の流れが促進し、神経の各部に栄養補給や老廃物の除去に一役買われると思われます。

軟酥の法

静かなところに座る、もしくは、立位でも構いません。
頭の上に金色に光り輝く塊をイメージしていただき、それが、ゆっくりと溶けて流れ出し、体の内側も外側も隅々まで行き渡理、そして、体にある全ての苦痛や苦悩など全てが足元から流れ出る様子を想像します。

ただ、これだけです。
毎日決まった時間に行っていただいても構いませんし、イライラした時や、気分がすぐれない時、緊張した時などに行っていただくと、気分が落ち着き心身のバランスが改善されように感じることでしょう。

世間では、難しく解説しているものも多いですが、目的は、健康な日々を過ごすため、どのような方にでも簡単に実行してただくことだと考えます。
ですから、私の解釈で、できるだけ簡潔にご紹介しました。

日々の健康増進に役立てていただければ幸です。

のむら整骨院 院長 野村晃生のサイン