診断名(病名・傷病名)について

私が最も困る質問のひとつに
「先生、〇〇は治りますか?」
と“診断名”で問われる時です。

例えば、
「脊柱管狭窄症は治りますか?」
「椎間板ヘルニアなんですけど、治りますか?」
「すべり症なんです!」
「五十肩は、どうですか?」
「変形性膝関節症なんですけど・・・」
「うちの子どもが、ADHD(注意欠陥・多動性障害)で困っているんです!」
「学習障害とかは治りますか?」
と尋ねられますが、

これには、正直、本当に答えようがありません。

なぜなら、これら「診断名」であり、原因や症状を表しているわけではないからです。

医療業界には、ガイドラインというものがあり、それに従って「診断名」がつけられ、治療方針も大方決まっています。
それに従って治ればいいのですが、ほとんどの場合、治ることはありません。
(治れば、私のところには来られないと思います…)

誤解のないように付け加えますが、診断名は間違っている訳ではありません。
保険請求などで使用するために決めた、いわゆるひとつの“区分け”であるだけで、“同じ症状”、“同じ体の状態”の人たちを1つのグループ・カテゴリー別にまとめているだけにすぎません。

現代社会は、西洋医学的な考え方が根強いため、「診断名=原因」と考えがちです。
しかし、実際に治療を行う上ではあまり重要ではありません。
さらに、原因や治す方法を説明している訳でもありません。
それに、あなたが“治る事”とも、あまり関係がありません。

体は「症状」という『言語』で表現しているだけです。

「どこがどのように痛むのか⁉︎」
「どんな時にシビレや不快感・違和感がでるのか⁉︎」
「なぜ、何に、どのようなことで困っているのか⁉︎」

から考え始めなければ、本当の原因を見極めることは難しいでしょう。

ほとんどの場合、原因は症状とは別のところにあります。
そして、症状がひとつであったとしても、原因もひとつだけとは限りません。
色々なものが複数組み合わさって、トータル的に症状として、痛みや痺れという方法で知らせています。

さらに、この症状を呈している複数の原因の中に、「割合」というものもあります。
ですから、当然、割合の高いところから、優先的に施術していく方が効率的です。
そういうことも考慮することで、本当の原因を取り去っていくことができると考えています。

のむら整骨院 院長 野村晃生のサイン