『〇〇は治りますか?』にお答えできない理由 ──「診断名」と『原因』の違い

診断名の正体とは?

40代 / 女性

椎間板ヘルニアは治りますか?

野村院長

その診断名だけでは答えられません

私が最も困ってしまう質問、「〇〇は治りますか?」

私が診察の現場で、最も回答に窮する質問のひとつ。

それが、「先生、〇〇という病気は治りますか?」と、“診断名”で問われた時です。

日々、このような切実な声が届きます。

病院でそのように告げられれば、その名前が自分のすべてであるかのように感じてしまうものでしょう。

しかし、これに対する私の答えは一つです。

「正直、その質問には答えようがありません」

冷たく突き放しているわけではありません。

なぜなら、その名前は単なる「診断名」であり、あなたの不調の「原因」そのものを表しているわけではないからです。

「診断名」は、あなたの原因を語らない

医療業界には厳格なガイドラインが存在します。

医師はそのガイドライン(基準)に従って、患者さんの状態を特定のグループに分類し、「診断名」をつけます。

これは、保険請求を行うため、あるいは統計を取るために必要な、いわば「事務的な区分け(ラベル)」に過ぎません。

誤解のないように言っておきますが、診断名が間違っていると言いたいわけではありません。

ただ、それはあくまで「同じような症状が出ている人たちをまとめたグループ名」であって、「あなた個人がなぜそうなったか」という物語や背景は、そこには一切含まれていないのです。

例えば、あなたが「お腹が痛い」と言ったとします。

「それは『腹痛』ですね」と診断名をつけられたとして、それで納得できるでしょうか?

  • 食べ過ぎが原因なのか?
  • 冷えが原因なのか?
  • ストレスが原因なのか?
  • ウイルスが原因なのか?

腹痛(診断名)」というラベルだけでは、治し方は分かりません。

食べ過ぎなら絶食が必要ですし、冷えなら温める必要があります。

名前がついたからといって、原因が分かったことにはならないのです。

現代社会では西洋医学的な考え方が強いため、「診断名がついた=原因が分かった」と錯覚しがちです。

しかし、実際に私の院で「治るための施術」を行う上で、診断名はさほど重要ではありません。

あなたが「治る」ことと、「診断名」は、実はあまり関係がないのです。

雨漏りの修理に「雨漏り」という名前は必要ない

もう少し分かりやすく、「家の雨漏り」に例えてみましょう。

床が水浸しになっている状態を見て、「これは『床浸水症』ですね」と名前をつけても、水は止まりません。

重要なのは、「どこから水が入ってきているか」を探すことです。

  • 屋根の瓦がズレているのか?
  • 壁にヒビが入っているのか?
  • 窓のサッシが劣化しているのか?
  • あるいは、床下の配管が破裂しているのか?

床が濡れている(=症状)のは結果に過ぎません。

屋根(=原因)を直さなければ、いくら床を拭いても(=対症療法)、また雨が降れば同じことの繰り返しです。

病院での治療がうまくいかないケースの多くは、「床浸水症」という名前に対して、「床を拭く」薬を出しているような状態だからです。

私が突き止めたいのは、「どこから水が漏れているのか」という、あなただけの原因なのです。

体は「症状」という『言語』で、あなたに話しかけている

では、痛みや不調は何のためにあるのでしょうか。

多くの人は症状を「消すべき敵」だと考えますが、私は違います。

体は「症状」という『言語』を使って、あなたに必死に何かを伝えようとしています。

  • 「もうこれ以上、その姿勢を続けないでくれ(腰痛)」
  • 「少し休んで、脳をクールダウンさせてくれ(頭痛)」
  • 「その食事は体に合っていないよ(アレルギー・内臓不調)」

体は口がきけません。

だから、痛みや痺れ、違和感といった「感覚」を使って表現するしかないのです。

診断名というフィルタを通して体を見るのではなく、「体の声」を直接聴くことから施術は始まります。

  • 「どこが、どのように痛むのか?」
  • 「どんな時にシビレや不快感が出るのか?」
  • 「なぜ、何に、どのような生活背景で困っているのか?」

ここから考え始めなければ、本当の原因(水漏れの箇所)を見極めることは不可能です。

原因はひとつではない。「割合(パーセンテージ)」で解き明かす

そしてもう一つ、重要な真実をお伝えします。

ほとんどの場合、原因は「症状が出ている場所」とは別のところにあります。

さらに厄介なことに、原因はひとつだけとは限りません。

私の臨床経験上、ひとつの症状に対して、複数の原因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。

私はこれを「原因の割合(パーセンテージ)」という独自の視点で捉えています。

例えば、「腰痛」という一つの症状であっても、そこに潜む背景は人によって全く異なります。

【Aさんの腰痛の場合】

  • 骨格の歪み:50%
  • 内臓疲労(食生活):30%
  • 精神的ストレス:20%

この場合、まずは骨格の矯正を優先しますが、内臓の調整も行わなければ完治しません。

【Bさんの腰痛の場合】

  • 過去の手術痕の影響:70%
  • 冷え:20%
  • 骨格の歪み:10%

この場合、いくら骨格矯正をしても効果は薄いでしょう。
手術痕の癒着を取ることが最優先(70%)だからです。

このように、色々な要因が複数組み合わさって、トータルで「許容量」を超えた時に、症状として現れるのです。

ですから、私は「今のあなたにとって、どの原因の割合が一番高いか(=どこが一番のボトルネックか)」を見極め、割合の高いところから優先的に施術していきます。

これが、最短で体を「整える」ための最も効率的なルートだからです。

診断名にとらわれず、「あなた自身」を診せてください

「〇〇は治りますか?」

冒頭の質問に戻りましょう。

診断名というラベルに対して「治ります」と軽々しく約束することは、私にはできません。

しかし、「あなたの体が発している声(症状)を読み解き、絡み合った原因の糸を一つずつ解いていくこと」なら、自信を持って「お任せください」と言えます。

診断名という『枠』に、とらわれる必要はありません。

それは単なる『区分け』です。

あなたの体は、教科書通りの「診断名」ではなく、世界に一つだけの歴史と背景を持った「生命」です。

「病名」を見るのではなく、「あなた」を見せてください。

病院医学では紐解けなかったその痛みの正体を、一緒に見つけていきましょう。

のむら整骨院 院長 

“病院医学”では紐解けない
痛みの正体を調律する『特別な整骨院』

完全予約制|受付 10:00〜17:00(最終受付)|お電話は18:00頃まで(留守電OK・折り返します)

院長経歴

検査で「異常なし」でも、つらさは本物
自律神経の乱れを

体の反応から読み解く整骨院

院長 野村晃生(のむら あきお)
柔道整復師/臨床歴20年以上

自律神経のはたらきを軸に、
身体が安心できる『整える施術』を大切にしています。

自律神経の仕組みや、根本的な改善方法について詳しく知りたい方は、以下の解説記事をご覧ください。
あわせて読みたい
自律神経失調症とは? 「原因不明の不調」の正体を、最新理論で紐解く。 「検査では異常がありません。ストレスでしょう」 病院でそう言われて、途方に暮れていませんか? 動悸、めまい、慢性...
あわせて読みたい
自律神経失調症の深層メカニズム 薬では改善しない自律神経失調症。その背景には、HPA軸の暴走と脳への物理的ストレスがあります。体が「治る許可」を出せない理由を、生命の法則から読み解きます。