回復を邪魔するものを
静かに手放すという作法
健康の定義を書き換える
「健康になりたい」と願うとき、私たちはつい「自分の体」という肉体の箱の中だけに意識を向けてしまいがちです。
血液検査の数値、体重の増減、筋肉のコリ、関節の痛み。
もちろん、それらは重要な指標です。
しかし、20年以上にわたり、多くの方の体、そして自律神経の揺らぎと向き合ってきた私が確信しているのは、健康とは決して肉体という単体で完結するものではない、ということです。
真の健康とは、肉体そのものの強さのことではありません。
自分の周りを包む、この「場(フィールド)」全体が整っている状態のことです。
場が整うとは、どういうことか。
それは、呼吸が抵抗なく深く入り、無意識の力みがほどけ、夜になれば自然と眠気が訪れること。
耳に入る言葉や情報が静かな水面のように穏やかであり、他者との距離感や、その空間に流れる空気が澄んでいること。
そうした条件が揃ったとき——私たちの体は、誰に教わらなくても、本来持っている「回復力」を思い出します。
のむら整骨院が施術を通して整えたいのは、痛みや症状そのものだけではなく、この体が回復できる“環境(場)”なのです。
体は、言葉よりも先に「場」を読む
私たちの体は、私たちが思っている以上に繊細な受信機のようなものです。
食事の栄養バランスや運動不足といった物理的な要因だけでなく、その場に漂う空気感、人の気配、飛び交う情報の量、さらには投げかけられる言葉の「音圧」や「強さ」にまで、瞬時に反応しています。
たとえば、眠れない夜を想像してみてください。
多くの人は、眠れない自分を責めてしまいます。
「明日は大事な会議があるのに」「早く寝なきゃ」と。
しかし、そう思えば思うほど、呼吸は浅くなり、胸の奥や喉元がギュッと硬くなるのを感じたことはないでしょうか。
「寝なければならない」という思考そのものが、自分自身へのプレッシャー、つまり「攻撃」となります。
すると、体は危機を察知し、交感神経を一気に高めて戦闘モードに入ります。
休息モードに入るどころか、体は敵(プレッシャー)に備えて覚醒してしまうのです。
その結果、翌日も鉛のような疲れが抜けず、さらに焦りが増幅し、また眠れない夜が来る…
断言しますが、これはあなたの「意志の弱さ」ではありません。
体が、その空間に充満した“場の緊張”を察知して、防衛本能として休めなくなっているだけなのです。
生き物としての体は、安心できない場所では眠れません。
逆に言えば、体が「ここは安全だ」「もう戦わなくていい」と心底安心できる条件(場)さえ揃えば、私たちが必死に努力しなくても、体は自然に緩み、回復の方向へと舵を切り始めます。
「整える」とは、何かを足すことではない
現代社会において、私たちは常に「不足」を埋めるように教育されてきました。
だからこそ、体調を良くしようとするときも、無意識に「足し算」の思考になります。
もっと栄養を足さなければ。
もっと運動を足さなければ。
もっと努力を、もっと根性を、もっと知識を足さなければ。
もちろん、何かが欠乏しているときには、足すことが必要な場面もあります。
けれど、原因の分からない慢性的な不調や、自律神経の乱れが続くときほど、実は「逆」のアプローチが必要なのです。
整えるとは、余計なものを減らすこと。
つまり、体の回復を邪魔しているものを、静かに外していく「引き算」の作業です。
今のあなたの体には、回復を妨げる“ノイズ”が多すぎるのかもしれません。
- 呼吸を浅く止めてしまう、無意識の緊張
- 胸郭や横隔膜に張り付いた、感情のこわばり
- 首や肩が戦闘態勢のまま固まったクセ
- 重力に逆らうような、姿勢や重心の崩れ
- そもそも眠りに入るための準備(オフの時間)の欠落
- 処理しきれないほどの言葉や情報が溢れる生活
こうした“邪魔なもの”が一つ、また一つと減っていくと、体は驚くほど素直に変わっていきます。
川の流れをせき止めていた石を取り除けば、水は自然と流れ出すように、体もまた、障害物がなくなれば自然と巡り始めるのです。
「正しさ」が場を荒らすとき、体は回復を止める
「引き算」の話をする上で、もう一つ触れておかねばならない現代特有の問題があります。
それは、「正しさ」や「評価」、「正解探し」が、場の空気を荒らしやすいということです。
私たちは社会生活を営む上で、多くの「正解」を持っています。
「社会人としてこうあるべき」
「親としてちゃんとしなきゃ」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「弱音を吐いてはいけない」
その言葉たちは、本来、人生をより良く整えるための道具だったはずです。
しかし、いつの間にかその道具が凶器となり、自分自身の首を締め、呼吸を奪い、体を石のように固くし、回復を遠ざけてしまっていることがあります。
体というシステムは、「正論」よりも先に『空気』を読みます。
たとえ頭(脳)が「これは正しいことだから我慢すべきだ」と判断しても、体が「その場の空気が硬い」「圧迫感がある」と感じれば、自律神経は緊張し、内臓は硬直します。
どれほど正しい言葉であっても、それが鋭利な刃物のような空気感をまとっていれば、その場において体は休まることができません。
「正しさ」が常に人を救うわけではないのです。
むしろ、過剰な正しさは「場」を緊張させ、そこにいる人の生命力を削ぐことさえあります。
健康を取り戻すには、正しさの鞭で自分を追い立てるよりも、まずは自分を包む「場」をやわらげる方向へ、勇気を持って舵を切る必要があります。
「正しいかどうか」ではなく、「心地よいかどうか」「呼吸がしやすいかどうか」を基準にするのです。
のむら整骨院が行っていること
当院で行っているのは、外側からの強い力で症状をねじ伏せて「治す」ことではありません。
体が回復できる条件を丁寧に整え、体が本来の働きを思い出すための「場」をつくることです。
具体的には、呼吸が深く腹の底まで入るように、固まった胸郭や横隔膜の緊張をほどいていきます。
常に「戦うか逃げるか」のスイッチが入っている首や肩の感覚受容器をリセットし、脳に「もう安全だ」という信号を送ります。
浮き上がった重心を下げ、骨格構造を整えることで、体が安心して地面に身を預けられる状態を作ります。
そして、眠りに入るための条件——脱力、深い呼吸、体液の循環——が自然と揃うように、全身の連鎖の滞りを解いていきます。
すると、その結果として、
これまで抱えていた不安感、動悸、息苦しさ、めまい、胃腸の不調、そして不眠といった症状が変化し始めます。
これらは一般的に「心の問題」や「ストレス」として片付けられがちですが、実は体の構造的な緊張がほどけることで、心まで静かにほどけていくことが往々にしてあるのです。
体と心は、コインの裏表です。
心が苦しいときに心に直接アプローチするのは難しいですが、体を緩めることで、その器である心(場)を整えることは可能です。
最後に:あなたの体は、まだ諦めていない
もし今、あなたが長く続く不調の中にいたとしても、どうか絶望しないでください。
あなたの体は、一度として回復を諦めたことはありません。
痛みも、不眠も、だるさも、すべては体からの必死のメッセージです。
「いまは、休ませてほしい」
「これ以上は、がんばれない」
「少し静けさがほしい」
そうやって、あなたを守るためにサインを出し続けてくれているのです。
だからこそ、無理に自分を変えようとしなくていいのです。
性格を変える必要も、根性を叩き直す必要もありません。
ただ、体が「戻れる条件」を、ひとつずつ静かに揃えていけばいい。
健康とは、単なる肉体のスペックではありません。
あなたを包む場(フィールド)全体が整うとき、体は回復の方向へ、自然に歩き出し、本来の強さを取り戻します。
もし今、原因が分からない不調や、繰り返す不安、眠れない夜が続いているなら、
一度「体」の部分的な修理ではなく、あなたを取り巻く「場」から見直してみませんか。
のむら整骨院は、あなたの体が安心して「自分」に戻っていける場を、静かに整えてお待ちしています。
のむら整骨院 院長 ![]()
“病院医学”では紐解けない
痛みの正体を調律する『特別な整骨院』
完全予約制|受付 10:00〜17:00(最終受付)|お電話は18:00頃まで(留守電OK・折り返します)
検査で「異常なし」でも、つらさは本物
自律神経の乱れを
体の反応から読み解く整骨院

院長 野村晃生(のむら あきお)
柔道整復師/臨床歴20年以上
自律神経のはたらきを軸に、
身体が安心できる『整える施術』を大切にしています。



