薬に頼る前に
身体が忘れてしまった
「休息のスイッチ」
を取り戻す
■ 来院時の「お悩み」
「明日も早いのに、どうしても目が冴えてしまう……」
暗闇の中で時計の数字を見つめる時間は、孤独で、残酷なものです。
今回ご来院された50代の男性は、長年、重責を担うポジションで走り続けてこられました。
- 深刻な中途覚醒: 布団に入っても1時間以上寝つけず、ようやく眠れても夜中に2〜3回目が覚めてしまう。
- 拭えない疲労感: 朝起きた瞬間から「体が重い」。日中の会議でも集中力が途切れ、常に霧の中にいるような感覚。
- 病院での限界: 検査では「異常なし」。処方された睡眠薬を服用していましたが、次第に「薬を増やさないと眠れなくなるのではないか」という新たな不安に苛まれていました。
「気合が足りないのか、それとも体が壊れてしまったのか」。ご自分を責めるような面持ちで、当院の門を叩かれました。
■ 院長の見立て(本当の原因)
お体を拝見してすぐに分かったのは、彼が「脱ぎたくても脱げない、目に見えない鎧」を纏っているということでした。
一般的な睡眠障害の解説では「ストレス」や「生活習慣」が原因とされます。しかし、私の視点で見ると、真の原因は「呼吸(肋骨・胸郭)のロック」と「脳の過剰な防衛本能」にありました。
- 吐けない呼吸(酸欠状態): 彼は息を吸うことはできても、深く「吐く」ことができていませんでした。胸郭(肋骨の籠)がガチガチに固まり、呼吸が浅くなっていたのです。これは、脳が常に「戦場」にいると誤認し、酸素を確保しようと必死になっている証拠です。
- 脳のスイッチの故障: 「眠れなかったらどうしよう」という不安は、脳にとっての「緊急事態宣言」です。脳が守ろうとして交感神経を跳ね上げ、強制的に覚醒モードを維持していました。
- 内臓の冷えと緊張: 長年の緊張により内臓への血流が滞り、深部体温が下がりにくくなっていました。眠りとは本来「熱を逃がして内側を休める作業」ですが、その準備が整わない状態だったのです。
■ 施術のアプローチと経過
当院では、眠れない脳を無理やり眠らせるようなことはしません。ただ、「もう戦わなくていいんだよ」というサインを、体に染み込ませていくだけです。
アプローチ:
強いマッサージは一切行いません。首の付け根、そして「呼吸の鍵」である横隔膜と胸郭に、触れるような優しい刺激を与えます。これにより、脳の防衛反応を解除し、自律神経を「休息モード」へと切り替えていきます。
回復のステップ:
- 1〜2回目: 施術中、数分で深い寝息を立て始められました。終了後は「視界が明るい、肺に空気が勝手に入ってくる」と驚きの表情。その夜は、数年ぶりに薬なしで入眠できました。
- 3〜5回目: 夜中に目が覚める回数が激減。朝、カーテンを開けるのが苦ではなくなりました。「眠れなくても、この呼吸法をすれば大丈夫」という安心感が育ち、精神的な鎧が剥がれ落ちていきました。
- その後: 忙しい時期に少しリズムが崩れても、ご自身で呼吸を整え、元の深い眠りに戻れる「自己調整力」を習得されました。
💬 院長からのメッセージ
「眠れない」という症状は、決して弱いからなどではありません。むしろ、これまで責任感を抱え、どれほど周囲のために神経を研ぎ澄ませて戦ってきたかという、努力の証なのです。
画像診断や数値には映らない「脳の緊張」や「呼吸の浅さ」は、体のSOSです。
薬で無理やりシャットダウンするのではなく、まずは固く閉ざされた胸郭をひらき、深く息を吐き出すことから始めましょう。
「本来の自分に還れば、体は自然と眠り方を思い出します」
もう一人で暗闇を彷徨う必要はありません。私と一緒に、その重い鎧を脱いでいきましょう。
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